70歳で出産したお話『セブンティウイザン』
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題名の通り、70歳で初出産したお話の漫画です。
漫画といえば、フィクションでもアクションでも何でもござれの世界ですが、
この『セブンティウイザン』は単にそういった不思議を楽しむものではありません。
もちろん、私も取り掛かりは意外性からでした。
でも、読み進めるうちに、見方が変わっていったのです。
目次
- 1、70歳で子どもは産めるのか
- 2、高齢で産むことが、赤ちゃんにとって幸せかどうか?
- 3、子どもと一緒に居られる時間を大切にすることを考えさせられる。
- 4、漫画としての面白さ。
- 5、高齢夫婦だからこそ見られる落ち着きと熟練のコンビネーション
1、70歳で子どもは産めるのか
このお話はフィクションなので、実際に70歳で自然妊娠、無事出産、というのはかなり難しいことです。
「70歳で子どもなんて産めるの?」
という視点で読むものでは無いことがすぐにわかると思いますので、私なりに頑張って説明していきますね。
第1話で、いきなり妻からの妊娠報告があります。
真面目な夫が65歳で定年退職し、送別会も断りまっすぐに帰宅しました。
これからは妻を連れてたくさん旅行に行こうと決めていた夫は、
会社でもらった花束を妻に渡すと、驚きの報告を受けます。
「妊娠しました」
もちろん夫は驚き、なかなか信じようとしませんでした。
それに、
「そんなことしたら自分が死んでしまうんじゃないか?」
と真っ先に妻を心配し、妊娠を全く喜べません。
イライラする妻。
これは妊娠によるイライラ(子を守ろうとする母性本能)です。
夫はとっくに子どもを諦めていましたが、
妻はこの歳まで諦めていなかったのだそうです。
この時点では私もあまり現実味がなく入り込めていませんでした。
その後必死に妻の出産を止めに入る夫の気持ちに共感しました。
…でも、二人で3Dエコーを見せてもらった瞬間、
パァっ!と心に光が降り注ぎ、
産まないなんて選択肢は無くなったのです。
2、高齢で産むことが、赤ちゃんにとって幸せかどうか?
それを問う物語ではありません。
と、私は思います。
それを考えさせられた人もいると思いますが。
はっきり言って、そんな次元のお話ではありませんでした。
妊娠報告を受けた時点で、夫は高齢出産のリスクについて散々調べます。
妻もわかっていました。
この歳までずっと子どもを望んできたのですから、無知な若者とはレベルが違います。
物語を読み進めるうちに、子どもの幸せは、親が何歳の時に産むかは全く関係ないということがわかりました。
もちろん医学的にリスクは大きいでしょうから推奨はできませんが、
自分の人生や子どもの人生を考える上で、年齢は関係ないということです。
漫画だからこそ、綺麗に描くことができたのですね。
3、子どもと一緒に居られる時間を大切にすることを考えさせられる。
私は、この物語には常に悲しみがついて回るのではないかと思っていました。
なぜなら、妊娠中、出産時、育児中、
高齢の妻の体調が悪化して、突然亡くなってしまうのではないかとずっとドキドキしていたからです。
その目線は夫も同じで、いつも心配していました。
でも、育児の流れ作業のように夫が妻の脈を測る描写がギャグタッチで、
高齢ネタを笑いながら読んでいいのだとわかり、安心して読むことができました。
悲観する物語ではありません。
でも、子どもと一緒にいられる時間が他の親子より短いことは明らかなので、
この老夫婦は一日一日をとても大切にしていました。
子どものお世話を取り合う夫婦。
カメラを常に構えて成長の記録を細かく撮り続ける父親。
体調不良で入院しても、子どもに会いたくて早く退院する母親。
ずっと一緒に居たいけど、子どものために保育園に通わせることを選択する夫婦。
私達だってこれから何があるかわからないですよね。
早かれ遅かれ、人は死にます。
だから、
・子どもと一緒に居られる時間を大切にすること
・今を大切に生きるということ
を考えさせられました。
また、
・老後を余生と捉えず、必死に生きようとする考え方
を学びました。
こんな充実した老後はあるでしょうか。
喜びに満ちた物語です。
4、漫画としての面白さ。
上記で色々学んだと書きましたが、
このお話は学習漫画ではなく、ましてや SF漫画でもなく、
とても面白い漫画です!
人それぞれ好みはあると思いますが、私はこの漫画の笑いが好きです。
老夫婦のさりげないボケやツッコミがなんか上品なんですよ〜😙
老夫婦といっても子育てをしているから心が若く、俊逸なやりとりなんですよね。
・妊娠あるある
・出産あるある
・子育てあるある
が散りばめられており、私の中では大ヒット。
高齢出産なんて関係なく面白いです。
5、高齢夫婦だからこそ見られる落ち着きと熟練のコンビネーション
本当に見習いたいです。
私はまだまだ夫にイライラしてしまうことが多いです。
些細な喧嘩で『離婚』なんて言葉が頭によぎるほど、
関係は不安定だと思います。
一つ一つ喧嘩を乗り越えて絆を強めていっているところですが、
まだ途中な気がします。
この漫画の夫婦は関係がとても安定していますし、
それぞれの人間も出来上がっていますので、
子どもに対する深い愛情に加えて、
孫に対するような落ち着いた接し方もできています。
本当に見習いたいです。
なのに、
今時の子育てについていく姿も見られて、なんだか可愛らしいです。
おばあちゃんが
「昔はそんな子育ての仕方しなかったわよー」
なんて言うお局感はありません。笑
また、
365日一緒にいられる父親のサポートが素晴らしい!
「世の中の母親はこれを一人でやるなんて大変だな。
その点、お前には365日俺がいるからな」
と言った夫にキュンとしました!
(白髪版、波平ヘアーですが!笑)
。。。
まだまだ見所はありますし、たくさん名言を紹介したいところですが、
ここまでにしたいと思います。
私もまだ読んでいる途中ですので、続きが楽しみです。
ぜひ皆さんにも読んでいただけたらと思います🤗
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今を生きる!死ぬまで生きる!宣言!